海雲山 長勝寺は潮来にある臨済宗妙心寺派のお寺。
鎌倉幕府の初代将軍の源頼朝が、文治元年(1185年)鹿島に隣接するこの地に武運長久を祈願して創建したと伝えられている。
ご本尊は阿弥陀三尊仏。国・県・市指定の文化財を数多く所有し、潮来市の史跡めぐりには欠かせない。
桜の咲く4月上旬、5月下旬から6月中旬にかけてのあやめまつり、秋の紅葉の時期は特にオススメである。
山門をくぐり長い参道を進み、茅葺屋根の本堂の裏手に、歴史を感じさせる沢山の歴代住職のお墓があった。
初代ご住職は、835年程前に、このお寺にいたということになる。あの、頼朝とこのお寺の中で何を話したんだろう。
水戸黄門に元禄時代に再興されてから、長い長い時を超えこのお墓はここに存在しているのだ。
その年に法要の予定があるため、お墓のメンテナンスをしたいとご相談を受けた。
古いものはそのままで良いという方もいる。
しかし、そこに彫られた戒名や功績が読めず、苔やカビの影響で亀裂が広がっていくのは、忍びない。
強い薬で石を傷めるような洗い方はしない。石本来の素肌を出す、そんな洗い方だ。
欠けや傷みがある部分は、補修をして、建立時の姿に近づける。
このお寺を守ってきた歴代のご住職の存在が、この先も語り継がれますようにと、願いを込めて。
【施工内容】
石材の表面だけでなく、内部深くまで繁昌したカビ、コケの根っこを、湿布などを用いて薬剤を浸透させ、丁寧に除去。
汚れの除去具合を確認しながら、手仕事により確認しながら丁寧に洗い上げていいく。
仕上げに、劣化、風化から守るため、雨水の吸い込みを抑制する石材専用のコーティングを塗布し完了。